
解毒ってなに?
〜医学と栄養の観点から読み解くデトックスの真実〜
はじめに:「デトックス=毒出し」って本当?
「デトックスジュースで毒素を出そう」「体をリセット」
こうした言葉を耳にしたことがある方も多いと思います。
ですが、「毒」とはそもそも何か?
そして、本当に「出す」ことができるのか?
me:labでは、感覚ではなく、生理学的・代謝的な根拠に基づいて解毒(detoxification)をとらえることを重視しています。
解毒とは?──「体に入った異物を無毒化・排出する生理機能」
「解毒(detox)」とは医学的に以下のように定義されます
体内に取り込まれた有害物質を、肝臓などの器官で代謝・抱合し、水溶化して排出する一連のプロセス
─ National Institutes of Health (NIH), Tox Tutor
代表的な毒素には以下のようなものがあります:
- 薬剤・アルコール・タバコ成分
- 食品添加物・残留農薬
- 体内で発生する老廃物(アンモニアなど)
- 環境汚染物質(PM2.5、重金属など)
これらの処理に最も関与するのが「肝臓の解毒酵素系」です。
解毒の3ステップ:肝臓で何が起きているか
▶ フェーズ1:酸化還元・加水分解による分解
肝臓内のシトクロムP450酵素群が毒素を反応性の高い中間代謝物に変換(時に一時的に毒性が上がる)
▶ フェーズ2:無毒化(抱合反応)
中間代謝物とグルタチオン・硫酸・グルクロン酸などが結合し、水溶性になり排出可能な形に
▶ フェーズ3:排出
胆汁や尿を通じて腸管や腎臓から体外へ排泄
→ このプロセスが滞ると、毒素が再循環してしまう「腸肝循環」による蓄積が起こるとされます【Klaassen CD. Casarett & Doull’s Toxicology】
解毒を支える栄養素・食品
科学的に知られている「解毒酵素群の活性に必要な栄養素」
【フェーズ1を助ける】
→ ビタミンB群、マグネシウム、亜鉛、セレン
→ 抗酸化物質(ビタミンC、E)【Hodges RE et al., Am J Clin Nutr.】
【フェーズ2を促進】
→ グルタチオン(NAC=N-アセチルシステイン、セレン、ビタミンB6)
→ メチオニン、タウリン、スルフォラファン(ブロッコリースプラウト)【Zhang Y et al., Cancer Lett.】
【排出を促す】
→ 水溶性・不溶性の食物繊維
→ 水分摂取、肝胆流の活性化(ターメリックなど)
デトックスの妨げになる生活習慣とは?
以下のような生活習慣は、解毒機能を弱めると報告されています。
- 睡眠不足:肝臓の修復が行われる夜間の代謝が乱れる【National Sleep Foundation】
- 過剰な糖質・アルコール:脂肪肝の誘発により代謝機能が低下【NIH LiverTox】
- 便秘:フェーズ3での毒素排出ルートが詰まり、再吸収リスクが上昇
- 過剰な断食や極端な食事制限:必要栄養素の枯渇によりフェーズ1・2が停止
→ 「何を入れるか」より前に、「出せる体」になっているかが重要です。

me:labとしてのスタンス
me:labでは、以下のようなパーソナル・デトックス戦略を提案します。
- 栄養検査や代謝分析に基づき、足りない栄養素を特定
- 肝機能・腸内環境・排泄機能を総合的に評価
- 自分に合った栄養介入・生活習慣の見直しによる段階的改善
→ 感覚的・一過性の「デトックス」ではなく、科学的に裏付けされた代謝最適化を支援します。
おわりに:「解毒とは体を信じる力を支えること」
解毒とは、特別な行為ではなく「私たちが日々、生きるために行っている代謝活動」です。
何を摂るかではなく出せるかどうかに目を向けること。
そして「自分にとって必要な支援は何か?」を、検査と知識で見極めること。
me:labは、その選べる力をサポートするパートナーでありたいと考えています。
引用・出典
Hodges RE et al., Am J Clin Nutr.
NIH ToxTutor: Metabolism of Toxicants
Casarett & Doull’s Toxicology (Klaassen CD)
NIH LiverTox: Clinical and Research Information on Drug-Induced Liver Injury
Zhang Y et al., Cancer Lett. 1994;82(1-2):85-91.
