
メンタル不調と栄養の意外な関係
─ 心を整えるために、まず体の材料を見直す
はじめに:「心の問題」は、本当に心だけの問題?
「気分が晴れない」「集中力が続かない」「朝がつらい」
そうしたメンタルの揺らぎを、ストレスや性格のせいと片づけていませんか?
実はその背景には、「脳の材料不足=栄養の問題」が隠れていることも少なくありません。
→ 脳は生化学的な臓器。神経伝達物質を作るにも、代謝を回すにも、栄養が不可欠なのです。
栄養:神経伝達物質は食べたものから作られる
感情や意欲、睡眠リズムを調整する神経伝達物質。
これらはすべて、食事から得られる栄養素を原料として合成されています。
代表的な神経伝達物質と関与する栄養素
- セロトニン(安心感):トリプトファン(大豆、卵)、ビタミンB6、鉄
- ドーパミン(やる気):フェニルアラニン、ビタミンB6、銅
- GABA(リラックス):グルタミン酸、ビタミンB6、マグネシウム
→ 栄養不足は、神経伝達物質の合成を妨げ、「不安定な気分」や「思考の停滞」を引き起こす原因になり得ます。
参考:
Young SN. (2007). How to increase serotonin in the human brain without drugs. J Psychiatry Neurosci. PMCID: PMC2077351
代謝:脳が動くためのエネルギーを作れているか?
脳は体重の2%しかないにもかかわらず、エネルギーの20%以上を消費する高燃費な器官です。
このエネルギー(ATP)は、ミトコンドリアの働きによって作られます。
→ 代謝を担う栄養素(ビタミンB群、マグネシウム、鉄など)が不足すると、
脳の「動き」が鈍くなり、思考力や集中力の低下、イライラにつながることも。
参考:
Bourre JM. (2006). Effects of nutrients (in food) on the structure and function of the nervous system: update on dietary requirements. J Nutr Health Aging. DOI: 10.1007/BF02994738
毒素:脳にとってのノイズを取り除けているか?
体にとって不要な物質である重金属、農薬、酸化ストレス、腸内炎症などは、
脳の働きを乱す「ノイズ」として影響を及ぼすことがあります。
例
- 腸内環境の悪化→ 炎症性サイトカインが脳に影響(腸脳相関)
- 血糖スパイク→ 気分の乱れ・不安感を助長
- 重金属の蓄積→ 神経毒性(特に鉛・水銀)
→ 「いらないものを出せる体」であることも、メンタルケアの土台です。
参考:
Cryan JF et al. (2019). The Microbiota-Gut-Brain Axis. Physiol Rev. DOI: 10.1152/physrev.00018.2018
me:labとしての視点
me:labでは、「心の問題は、体から読み解ける」と考えています。
以下のようなアプローチで、体と心の両側面からサポートを行っています。
- 栄養検査による、神経伝達物質の材料状況の可視化
- ミトコンドリア・腸内環境・炎症指標などの代謝分析
- 必要に応じたサプリメントや栄養調整、ライフスタイルの提案
→ 「気のせい」ではない、からだのサインを丁寧に拾い上げ、あなたに合った整え方を設計します。
おわりに:感情にも「材料」がある
心の不調を、単に「メンタルが弱い」と思わないでください。
その背景に、栄養・代謝・解毒の乱れが潜んでいることは珍しくありません。
- 脳は材料がないと動かない
- エネルギーが作れないと考えられない
- 毒素が出せないと気分が乱れる
→ 自分の中のバランスの崩れに気づくことが、回復への第一歩になります。
参考・文献一覧
- Young SN. (2007). How to increase serotonin in the human brain without drugs. J Psychiatry Neurosci
- Bourre JM. (2006). Nutrients and the nervous system. J Nutr Health Aging
- Cryan JF et al. (2019). The Microbiota-Gut-Brain Axis. Physiol Rev
