サラダ油とは?中身・健康面・選び方
「サラダ油は体に悪い」と聞くことがあります。でも、そもそもサラダ油とは何なのでしょうか。実は、特定のひとつの油を指す名前ではありません。
何からつくられているのか、なぜこれほど家庭に普及したのか。そこから見ていくと、健康面でどう考えればいいのかも分かりやすくなります。
サラダ油とは何か
サラダ油は、オリーブ油や米油のように、原料そのものを表した名前ではありません。
なたね、大豆、とうもろこし、こめぬか、ごまなどからつくられた植物油のうち、一定の基準を満たしたものが「サラダ油」と呼ばれます1。

「サラダ油」という植物があるわけではありません。
実際の商品を見ると、「食用なたね油」「食用大豆油」など、使われている原料はそれぞれ違います。
なぜサラダ油はこれほど普及したのか
サラダ油が家庭に広く普及したのは、健康面で特別な油だったからではありません。
価格を抑えやすく、クセが少なく、さまざまな料理に使いやすかったことが大きな理由です。
さらに、家庭用の油に使われるなたねは、そのほとんどが輸入です。農林水産省の資料によると、油をしぼるためのなたねは年間200万トン程度が供給されていて、国産はそのうち0.1〜0.2%。主な輸入先はカナダと豪州です2。

海外産だから健康に悪い、という意味ではありません。重要なのは、大量に調達できる原料を使うことで、価格を抑えながら安定して供給しやすいということです。
複数の植物油を組み合わせた商品もあります。こうした価格・供給・使いやすさのバランスによって、サラダ油は家庭の定番として広く使われるようになりました。
キャノーラ油とサラダ油は違うのか
スーパーでは「サラダ油」と並んで「キャノーラ油」もよく見かけます。この2つは、まったく別のものではありません。
キャノーラ油は、なたねからつくられる油です。なたねの中でも、油の成分を改良した品種がキャノーラと呼ばれています。規格の上では食用なたね油にあたり、基準を満たせばサラダ油としても売られます1。
サラダ油は大きなカテゴリー。
キャノーラ油はその中の具体的な油のひとつ。
健康面では何を見ればいいのか
健康面で油を見るときは、油の名前ではなく、中身を見ます。
中身は原料によって変わります。その中身をつくっているのが、脂肪酸です。脂肪酸とは、油をつくっている主な成分のことです。
脂肪酸は大きく、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分かれます。バターや脂身の多い肉に多いのが飽和脂肪酸、植物油や魚に多いのが不飽和脂肪酸です。これまでの研究では、飽和脂肪酸の一部を不飽和脂肪酸に置き換えることが、心臓や血管の健康に有利だと示されています3。

米油やオリーブ油と比べるとどうなのか
では、サラダ油の原料になる油は、米油やオリーブ油と比べてどう違うのでしょうか。
まずは、健康との関係がよく研究されている脂肪酸の構成を比べてみます。

比べてみると、サラダ油の原料としてよく使われるなたね油は、米油より飽和脂肪酸が少なく、不飽和脂肪酸の割合は高めです。
一方、大豆油やとうもろこし油は、なたね油やオリーブ油とは脂肪酸のバランスがかなり違います。
つまり、「サラダ油」という名前だけでは、中身の特徴は分かりません。
実際に選ぶときは、何の油が使われているか、その原料がどこ産なのかを見ます。
選ぶときは、裏面を見る
スーパーで迷ったら、まず商品の裏面を確認します。
見るのは主に2つです。
原材料名
「食用なたね油」「食用大豆油」「食用とうもろこし油」など、実際に何の油が使われているかを確認します。
原料原産地表示
表示されている場合は、原料がどこで作られたものかも確認できます。
健康を意識して選ぶなら、「サラダ油かどうか」ではなく、「何の油で、どこ由来なのか」を見る。
これだけでも、選び方はかなり変わります。
参考文献・参考資料
- 農林水産省「日本農林規格 食用植物油脂」JAS 0523:2024 https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_standard/attach/pdf/index-386.pdf
「サラダ油」は油の名前ではなく等級名。原料ごとに「なたねサラダ油」「大豆サラダ油」などがある。3.17 食用調合油は「2以上の油を調合した油」、3.8 食用なたね油は「あぶらな又はからしなの種子から採取した油」 - 農林水産省 農産局地域作物課「なたねをめぐる状況について」令和8年2月 https://www.maff.go.jp/j/seisan/tokusan/attach/pdf/soba.natane-15.pdf
油糧用なたねの供給量は年間200万トン程度で、ほとんどを輸入に依存。国産は3〜4千トン程度(供給量の0.1〜0.2%)。主な輸入先はカナダ及び豪州 - 2026 Dietary Guidance to Improve Cardiovascular Health: A Scientific Statement From the American Heart Association. Circulation. doi:10.1161/CIR.0000000000001435
飽和脂肪酸の摂取源を多価不飽和脂肪酸に置き換えることが冠動脈疾患リスクの低下と関連する、としている
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