健康のための油の選び方
米油・オリーブ油・ごま油・亜麻仁油・サラダ油を比較
「油は太りやすいから減らしたほうがいい」とも、「良い油は摂ったほうがいい」とも言われます。では、油は減らすべきなのか、選んで摂るべきなのか。まず、そこから整理します。
なぜ健康のために油を選ぶのか
油というと、「脂質が多い」「太りやすい」という印象を持つ人も多いと思います。
一方で最近は、フィッシュオイルやオメガ3脂肪酸のサプリメントを見かける機会も増えました。

なぜ、避けた方がよさそうな「油」が、健康のために摂るものとしても注目されているのでしょうか。
理由のひとつは、
油が単なるカロリーではないからです。
脂質は、細胞をつくったり、体内で作れない脂肪酸を補ったりするために必要な栄養素です。
そして健康を考えるときは、「どれだけ油を摂るか」だけでなく、
「どんな脂肪酸を摂るか」
も大切だと分かってきています。
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」脂質1
油をつくっている主な成分を、脂肪酸といいます。そのひとつが、オメガ3脂肪酸のEPAです。魚に多く含まれています。
日本人を約10年追跡した研究では、血液中のEPAが少ない人は、多い人に比べて、がんで亡くなるリスクが約2倍でした。
出典:久山町研究 / Journal of Epidemiology 20172
この久山町研究は、医師の南雲吉則先生もYouTubeで取り上げています。
また、油は種類によって健康への影響が違います。
たとえば、飽和脂肪を不飽和脂肪に置き換えること。つまり、バターや脂身の多い肉に多い脂を、オリーブ油や魚に多い脂へ替えることです。これで心臓や血管の病気が起きにくくなることが、多くの研究で示されています。
出典:American Heart Association, Dietary Guidance, 20263

油は、健康を考えるうえで無視できない栄養です。
実際に、脂肪酸の種類によって健康との関係が変わることも分かってきています。
だからこそ大切なのは、どんな油を選ぶかです。
次に、油によって何が違うのかを見ていきます。
油の違いを見るポイント

まず、家庭でもよく使われる「サラダ油」について
実は、サラダ油はひとつの油の名前ではありません。
なたね油、大豆油、コーン油など、一定の基準を満たした植物油が「サラダ油」として販売されています。そのため、商品によって原料も脂肪酸の構成も違います。
つまり、「サラダ油だから体に悪い」「サラダ油なら全部同じ」と考えるのは正確ではありません。
健康を意識して選ぶなら、「サラダ油」という名前ではなく、何の油が使われているかを見ることが大切です。
では、それぞれの油は何が違うのでしょうか
サラダ油は、ここまで見てきたように、複数の植物油を含む「カテゴリー」です。
一方、今回比較する米油・オリーブ油・ごま油・亜麻仁油は、それぞれ異なる原料からつくられています。原料が違えば、油の中身も変わります。
下のグラフを見ると、同じ植物油でも脂肪酸の構成がかなり違うことが分かります。

つまり、健康面で注目される特徴も油によって違います。
亜麻仁油は、健康目的で特に注目される脂肪酸を多く含みます。オリーブ油は、心血管の健康との関係について多く研究されています。米油やごま油にも、それぞれ特徴的な成分があります。
どの油が自分に合うかは、健康目的によって変わります。
それぞれの油の特徴については、各記事で詳しく紹介します。
健康のための油選び
油は、原料によって脂肪酸の構成や、健康面で注目される特徴が異なります。
大切なのは、それぞれの特徴を知ったうえで、自分の健康目的に合わせて選ぶことです。
参考文献・参考資料
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 脂質 https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001316463.pdf
1-2 機能(p.105)および 3-3-2-1 目標量の策定方法(p.108)。目標量は20〜30%エネルギーで、下限の20%は必須脂肪酸の目安量を下回らないように算定されている - Nagata M, Hata J, Hirakawa Y, et al. The ratio of serum eicosapentaenoic acid to arachidonic acid and risk of cancer death in a Japanese community: The Hisayama Study. J Epidemiol. 2017;27(12):578-583. PubMed 28669629
40歳以上3,098人を平均9.6年追跡(がん死亡121人)。血清EPA/AA比の最低四分位(0.29未満)は最高四分位(0.60超)に対し、がん死亡のハザード比1.93(95%CI 1.15〜3.22、多変量調整後)。部位別では肝がんでのみ関連が見られ、ほかのがんでは見られていない。観察研究。著者の1名はEPA製剤を扱う持田製薬の所属 - 2026 Dietary Guidance to Improve Cardiovascular Health: A Scientific Statement From the American Heart Association. Circulation. doi:10.1161/CIR.0000000000001435
飽和脂肪酸の摂取源を多価不飽和脂肪酸に置き換えることが冠動脈疾患リスクの低下と関連し、置き換え先が多価不飽和脂肪酸のときに心血管上の利益が最も大きい、としている。2021年版の更新 - 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 脂肪酸成分表編」第3表 脂質1g当たりの脂肪酸成分表 https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_00001.html
- Estruch R, et al. Primary Prevention of Cardiovascular Disease with a Mediterranean Diet Supplemented with Extra-Virgin Olive Oil or Nuts. N Engl J Med. 2018;378(25):e34. PubMed 29897866
7,447人・中央値4.8年。EVOOを加えた地中海食の群で、心筋梗塞・脳卒中・心血管死のハザード比0.69(95%CI 0.53〜0.91)。対象は心血管リスクの高い55〜80歳で、油だけを取り出した試験ではない。2013年版は手順の逸脱により撤回、再解析のうえ再出版
me:LABは、RESONA-LABとサプリメントを提供する株式会社bio medicalが運営しています(運営について)。本記事は公的資料と査読済み文献の整理であり、個別の診断・治療に代わるものではありません。特定の商品・製法の効果を示すものでも、使用を勧めるものでもありません。脂質異常症などで食事の指示を受けている方は、個別の指示が優先されます。
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